投稿日:2026年8月23日
商品の検品を行い、不良品が見つかった場合、多くの方は「工場で修理すれば問題ない」と考えるかもしれません。
しかし、品質管理の立場から見ると、不良品を見つけた時点で検品が終わるわけではありません。
むしろ重要なのは、その後です。
工場が不良品を修理したとしても、本当に問題が改善されているのか、修理の過程で別の不良が発生していないのかを確認する必要があります。
そのために行うのが、修理品の二次検品です。
二次検品は、単なる「もう一度確認する作業」ではありません。
最初の検品で確認された問題が正しく改善され、商品が出荷可能な品質に達しているかを確認する、非常に重要な品質管理工程です。
一次検品で不良品が見つかった場合
出荷前検品では、商品に応じてさまざまな項目を確認します。
例えば、次のような不良が見つかることがあります。
- 傷や汚れ
- 印刷ずれ
- 印刷の欠け
- 色差
- 縫製不良
- 糸の処理不良
- 接着不良
- 部品の取付不良
- サイズ違い
- 変形
- 包装不良
- ラベルの貼付間違い
- 数量不足
- 外箱表示の間違い
不良内容によっては、その場で修理できるものもあります。
例えば、糸切り、汚れの除去、ラベルの貼り直し、包装のやり直しなどです。
一方、印刷不良、部品破損、縫製不良、接着不良などの場合には、一度工場へ戻して修理する必要があります。
ここで重要なのは、「修理した」という工場からの報告だけで、出荷可能と判断しないことです。
修理した商品が必ず良品になるとは限りません
工場が修理を行っても、すべての商品が完全に改善されるとは限りません。
例えば、汚れを拭き取った際に商品の表面に擦り傷が付くことがあります。
印刷不良を修正した際に、色や位置が承認サンプルと異なる場合もあります。
縫製をやり直したことで、縫い跡や針穴が残ることもあります。
また、接着剤を追加すると、接着剤が商品表面にはみ出したり、乾燥不足によって再び部品が外れたりすることがあります。
つまり、
一つの不良を修理したことで、別の不良が発生する可能性があります。
そのため、修理品については、修理した部分だけを見るのではなく、商品全体を改めて確認する必要があります。
二次検品で確認するポイント
二次検品では、一次検品で確認された不良内容を中心に、修理後の状態を確認します。
例えば、一次検品で印刷ずれが多く確認された場合には、
- 印刷位置が正しく修正されているか
- 印刷の濃さに問題がないか
- 印刷面に傷が付いていないか
- 他の部分にインキが付着していないか
などを確認します。
縫製不良の場合には、
- 縫い直した部分が正しく処理されているか
- 糸が残っていないか
- 縫い目が曲がっていないか
- 生地に針穴や傷が残っていないか
などを確認します。
包装不良の場合には、
- 正しい袋へ入れ直されているか
- 商品の向きが正しいか
- ラベルが正しい位置に貼られているか
- バーコードや表示内容が正しいか
- 包装中に商品へ傷が付いていないか
まで確認する必要があります。
二次検品では、一次検品で見つかった不良が改善されていることと、修理によって新しい不良が発生していないことの両方を確認することが重要です。
修理品と未修理品を混在させない
二次検品を行う際には、修理済み商品と未修理商品を明確に区別することが重要です。
工場によっては、大量の商品を修理する過程で、
- 修理済みの商品
- 修理前の商品
- 修理できない商品
- 良品
が同じ場所に置かれてしまうことがあります。
この状態では、どの商品が確認済みなのか分からなくなります。
その結果、一度不良と判断された商品が、誤って良品側へ戻される可能性があります。
二次検品では、商品を明確に区分し、
未検品 → 検品中 → 良品 → 不良品
という流れを分かりやすく管理する必要があります。
検品数量が多い場合には、箱番号や数量を記録しながら作業することも重要です。
全数検品が必要な場合
修理品について、すべての商品を二次検品するべきか、一部だけを抜き取って確認するべきかは、不良内容によって異なります。
例えば、不良が少数であり、原因が明確で、修理方法も安定している場合には、状況によって抜取確認を検討できる場合があります。
しかし、次のような場合には、全数検品を検討する必要があります。
- 一次検品で不良率が高かった
- 同じ種類の不良が大量に発生していた
- 修理品質にばらつきがある
- 人の手作業による修理が多い
- 商品単価が高い
- ブランド商品やキャラクター商品
- 販売期間が限定されている
- 日本到着後の再修理が難しい
- お客様から全数確認を求められている
特に、一次検品で大量の不良が発見された場合には、修理後の商品も同じ品質で安定しているとは限りません。
費用だけを理由に確認数量を減らすと、日本到着後に再び不良が発見される可能性があります。
二次検品の日程を最初から考える
検品で不良品が発見されてから、初めて修理日程や二次検品の日程を考えると、納期に間に合わなくなる場合があります。
例えば、
商品完成 → 一次検品 → 修理 → 二次検品 → 出荷
という工程には、それぞれ時間が必要です。
一次検品で問題がなければ、そのまま出荷できます。
しかし、不良率が高かった場合には、工場が修理する時間と、修理後に再度確認する時間が必要になります。
出荷予定日の前日に一次検品を行った場合、問題が見つかっても修理する時間がありません。
結果として、
- 出荷を延期する
- 良品だけ先に出荷する
- 航空便へ変更する
- 数量不足のまま納品する
といった対応が必要になることがあります。
そのため、量産スケジュールを作成する際には、万一不良が発生した場合の修理期間と二次検品期間をあらかじめ確保しておくことが重要です。
二次検品にも費用が必要です
二次検品では、再度検品員を手配し、商品を確認する必要があります。
そのため、通常は一次検品とは別に検品費用が発生します。
工場の品質問題が原因であるため、「なぜ再検品費用が必要なのか」と感じる場合もあるかもしれません。
しかし、検品会社は工場とは別の立場で、お客様の品質基準に基づいて商品を確認します。
一次検品で不良品を発見した後、工場がどのように修理したかを検品会社が保証することはできません。
修理後の商品を再度確認するためには、新たな作業時間と人員が必要になります。
もちろん、品質問題の原因や責任については、工場と協議する必要があります。
しかし、出荷前に品質を確実に確認するという目的から考えれば、二次検品そのものは重要な工程です。
工場の「修理完了」をそのまま信用しない
これは工場を信用してはいけないという意味ではありません。
工場と検品会社では、それぞれ役割が異なります。
工場の目的は、商品を製造し、予定どおり出荷することです。
一方、検品会社の役割は、お客様が定めた品質基準に基づいて、商品が出荷可能な状態にあるかを第三者の立場から確認することです。
工場側が「問題ない」と判断した商品でも、日本のお客様の品質基準では不良になる場合があります。
特に、
- 小さな傷
- 軽微な汚れ
- 若干の印刷ずれ
- 色差
- 縫製の乱れ
- 包装状態
などは、工場と日本側で判断が異なることがあります。
だからこそ、修理後の商品についても、同じ基準で改めて確認する必要があります。
二次検品の目的は工場を責めることではありません
品質問題が発生すると、原因や責任を明確にすることは必要です。
しかし、二次検品の目的は、工場の責任を追及することではありません。
最も重要なのは、
問題のある商品を日本へ出荷しないことです。
不良品が日本へ到着してから問題が発見されると、
- 日本国内での再検品
- 返品
- 商品交換
- 再生産
- 国際輸送
- 顧客対応
など、より大きな負担が発生します。
工場、お客様、検品会社が協力し、出荷前に問題を解決する方が、結果としてすべての関係者の損失を減らすことができます。
不良率を記録し、次回の生産へつなげる
二次検品で重要なのは、そのロットの商品を出荷できる状態にすることだけではありません。
一次検品と二次検品の結果を比較することで、工場の改善状況を確認できます。
例えば、
一次検品:検品数10,000個/不良数1,200個/不良率12%
修理後の二次検品:検品数1,200個/再不良数60個/再不良率5%
という結果であれば、修理によって多くの商品が改善された一方、修理方法にはまだ改善の余地があることが分かります。
また、同じ商品を次回生産する際には、今回発生した不良内容を工場と共有することで、量産開始前から対策を取ることができます。
品質管理で重要なのは、毎回同じ不良を検品で見つけることではありません。
前回発生した問題を、次回の生産では発生させないことです。
「見つける」から「解決する」検品へ
検品の役割を、単純に良品と不良品を分ける作業だと考えると、一次検品で仕事は終わります。
しかし、本当の品質管理では、不良品を見つけた後に、
- なぜ発生したのか
- どのように修理するのか
- 修理後に問題がないか
- 同じ問題を再発させないために何を改善するのか
まで考える必要があります。
不良を発見することはゴールではなく、品質改善のスタートです。
天天星有限公司では、日本のお客様の品質要求を理解し、中国の生産現場で一次検品、修理後の二次検品、品質改善の確認まで対応しています。
私たちは、不良品を多く見つけることを良い検品だとは考えていません。
最も望ましい状態は、工場の品質が改善され、不良品そのものが減り、最終的に安定した品質の商品を日本へ出荷できることです。
これからも、お客様と工場の間に立ち、現場の状況を正確に確認しながら、単なる「不良品を見つける検品」ではなく、**「問題を解決し、次の生産につなげる品質管理」**を目指してまいります。
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